世界と比べても日本の保育士は仕事時間が長いのは本当か
OECD(世界協力開発機構)の調査によると、保育士や幼稚園教諭などの「保育者」として働いているうち勤務時間が最も長いのは日本だったそうです。
1週間あたりの各国仕事時間は以下の通り。
1日あたりの勤務時間は週5日勤務として計算。
アイスランド▶︎33.5時間(5日勤務で1日6.7時間)
ドイツ▶︎40.1時間(5日勤務で1日8.02時間)
韓国▶︎46.6時間(5日勤務で1日9.32時間)
日本▶︎50.4時間(5日勤務で1日10.08時間)
特に日本では勤務経験3年以下の保育者ほど勤務時間が長く、平均54時間だったそうです。
日本で保育士として勤務した経験からするとあまりの過酷さに心も身体もくたくたで、「労働環境の良し悪しを自分で考えさせないようにしているんじゃないか」と疑うくらいの環境でした。
こんなに一生懸命働いても、日本の保育士の平均給与は310万円。先程のOECDの調査でも下から2番目の満足度だそうです。
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社会でも評価の低い日本の保育の仕事
先程と同じくOECDが2019年に行なった調査によると、「社会から評価されている」と感じる保育士の数も調査対象国8ヵ国の中で最下位だったそうです。
「保育士の給料はなぜ低いと思う?」という質問に対してホリエモンが「誰にでもできる仕事だからです」とTwitterで答えたことでも話題になりました。
子どもたちにとって保護者の次に身近な保育士がこんなに夢のない仕事でいいんでしょうか?
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保育業界をよくすることは子供達の利益にもつながる
私は新卒で就職したブラック保育園では、疲れ切ってクマのある顔で虚ろな目をして働いていました。
大量の手書き書類に持ち帰りの壁面製作。寝る時間を削って働いていました。主任や園長先生たち先輩保育者は「子供達のためなんだから頑張れるでしょう」ともっともらしく言っていましたが、一度保育の現場を離れてみると、それっておかしな理屈だな、と。
保育士が笑顔で子ども達に向き合い、一緒になって全力で遊びに取り組み、人生ってこんなに楽しいんだよ!と身をもって子供達に伝える方がよっぽど子ども達のためじゃないでしょうか。
書類が手書きだからいい先生だよね、持ち帰ってまで仕事する先生憧れるなぁ、なんて思う子ども本当にいますか?
そんなふうに思ったので、私は保育士としての正規勤務をやめました。
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派遣保育士っていいよって話
今現在はハンドメイド作家のかたわら派遣保育士として週に数日働いているのですが、書類仕事は全くないですし、サービス残業や持ち帰り仕事も全くありません。
もしそんなことがあればコーディネーターさんがすっ飛んできてくれます。今の園は職員の方も良い方が多いので特に心配はしていませんが、万が一の時に守ってくれる存在があることはとても心強い物です。
心と体に余裕がある分、子どもたちと全力で向き合っています。「保育士になろう、と思ったときに考えていた保育士にやっとなれた」そんな気持ちです。
まとめ:日本の保育士は世界で比べても仕事時間が長いのか
残念ながら今の日本において保育士として働くというのは、とってもしんどい物です。「子どもたちのためにちゃんとやろう」そんな真面目な保育士さんほど苦しむのではないかなと。
真面目で一生懸命な保育士さんたちに社会が甘えて甘えて甘えた結果、今の保育業界があると私は思っています。
サービス残業でも、持ち帰り仕事でも「子どもたちのためだから」と自分の時間を削って頑張ってしまう保育士さんたち。そんな方々がいるから、今のシステムが成り立っているのだと。
保育士さんが一斉に「手書き信仰なんてもうやめましょうよ」「私たちにも自分の時間を持つ権利がある」と言い出したらあっという間に日本の保育業界は崩れてしまうと思います。
でも、残念ながら今すぐ保育士の置かれている環境を変えるのは難しい。だから私は、自分自身の労働環境を変えました。結果、ものすごく「保育士」が楽しくなりました。
「保育士辛い」今そんなふうに思っている保育士さんがいたら、ぜひ色々な選択肢があることを思い出してください。
派遣保育士についてまとめた記事もあります。